都会と田舎の生活コスト、高いのはどっち?

「都会はお金がかかる」「田舎の方が物価が安い」と言われていますが本当でしょうか。東京から長野に戻ってきて数年経ち、その実態が見えてきました。我が家を例に比較してみたいと思います。
前提
比較の前提となる生活状況です。
項目 | 東京 | 長野 |
---|---|---|
家族構成 | 夫婦二人暮らし | 夫婦二人暮らし |
住居・間取り | 1LDK新築アパート | 2LDK新築アパート |
駅までの距離 | 徒歩15分 | 徒歩10分 |
電車本数(1時間あたり) | 10-20本 | 1-2本 |
車 | なし | 2台・駐車場有料 |
通勤時間 | 1時間30分 | 30分 |
収入は一人分だけ、アパートはどちらも新築を賃貸で借りています。公共交通機関は東京の圧勝。長野県に電車はないに等しいです。しかし車通勤のため通勤時間は圧倒的に短くなっています。
実際のコスト
それでは、実際にどれだけ生活コストが違うのか表にしてみましょう。生活様式が大分違うので比較しきれないところもありますが、だいたいはつかめるんじゃないでしょうか。光熱費等変動があるものは平均をとっています。また、通信費や生命保険料等の地域差がないものについては省略します。
項目 | 東京 | 長野 |
---|---|---|
家賃 | 87,000 | 74,000 |
駐車場 | 0 | 5,000 |
駐輪場 | 3,000 | 0 |
交通費(電車) | 5,000 | 1,000 |
電気 | 6,000 | 8,000 |
ガス | 4,500 | 10,000 |
水道 | 2,500 | 4,800 |
食費 | 50,000 | 45,000 |
灯油 | 0 | 300 |
自賠責・任意保険 | 0 | 6,000 |
車両維持費 | 0 | 10,000 |
ガソリン代 | 0 | 8,000 |
合計 | 158,000 | 172,100 |
意外な結果でしょうか?それとも想定の範囲内でしょうか?僕は想定外でした。地方では車に関するコストはかかるが、それを含めてもまだ田舎の方が安いと今まで思っていました。実際はさにあらず、合計で結構な差が出てしまっています。項目を絞って確認していきましょう。
家賃・駐車場等の不動産関係と公共交通機関
項目 | 東京 | 長野 |
---|---|---|
家賃 | 87,000 | 74,000 |
駐車場 | 0 | 5,000 |
駐輪場 | 3,000 | 0 |
交通費(電車) | 5,000 | 1,000 |
合計 | 95,000 | 80,000 |
これらの項目についてはおおかた予想通りです。長野県移住後の方が一部屋増えているにも関わらず家賃は大幅にダウンしています。東京時代の1LDKは名ばかりで、リビングに隣接する寝室は3畳しかありませんでした。
ちなみに、駐車場代は2台で5,000円です。1台2,500円。都会じゃ考えられない金額ですね。もちろんアパートの敷地内にあります。
光熱費の比較
項目 | 東京 | 長野 |
---|---|---|
電気 | 6,000 | 8,000 |
ガス | 4,500 | 10,000 |
水道 | 2,500 | 4,800 |
灯油 | 0 | 300 |
合計 | 13,000 | 23,100 |
もっとも想定外だったのがこの光熱費です。長野県の方が東京よりも10,000円高くなっています。どういうことでしょうか。
電気代の比較
電気代についてはまぁこんなもんでしょう。住居スペースが増えているため単純に金額が上がったものと考えられます。
ガス代の比較
東京に比べて2倍以上になっています。ふざけんな状態。家族構成も入浴間隔もほぼ変わっていないのにこの金額差はなんなんでしょう。長野県は寒いのでお湯を作るのに消費するガス代が多いのはわかりますが、冬だけでなく夏季も明らかにガス代が高くなっています。
これは悪名高いプロパンガスのせいですね。プロパンガスは都市ガスと違い配送料がかかるほか、アパート設備の一部をプロパンガス会社持ちで設置したりしているので、その料金がガス代に転嫁されて高額になります。また、同じガス会社でも家庭によってなぜか単価が違うため、文句の出ないアパートは特に高額になりやすいです。プロパンガスと都市ガスが選択できる地域である場合は、絶対に都市ガスの物件を選びましょう。家賃が5,000円高くなっても都市ガス物件の方がトータルで安いはずです。
水道代の比較
水道代も東京に比べて2倍近くの金額が発生しています。水道代は隔月徴収で、これは東京も長野も変わりません。金額も同じようなもんです。ではなぜこんなに差が出るのかというと、「下水道代」がかかっているからですね。おそらくですが、長野県は下水道の普及が遅かったためまだ償還が終わっておらず、各家庭からの徴収が続いているのでしょう。下水道代は上水道の使用量に比例しますので、東京に比べて合計の水道代が倍かかるという理屈です。
灯油代の比較
長野県の冬はかなり冷え込みが厳しく、一般のアパートでは石油ファンヒーターが必須になります。ただし冬期間しか使わないのでそこまでの出費にはなりません。重くて臭くて押し入れがカビるのが難点ですね。
車に関する出費の比較
項目 | 東京 | 長野 |
---|---|---|
自賠責・任意保険 | 0 | 6,000 |
車両維持費 | 0 | 10,000 |
ガソリン代 | 0 | 8,000 |
合計 | 0 | 24,000 |
なんだかんだいってもここが一番でかいですね。そもそも東京では車が必要なかったため0円になっています。
保険料は対人対物無制限車両保険無し、ゴールド免許の軽自動車2台分です。車両維持費はメンテナンス代と車検・税金代。メンテナンス代は記録に残っていないものもあるのでもっとかかっているかもしれません。そしてガソリン代。通勤費で相殺した後の2台分の平均金額です。
田舎は車がないとコンビニにも行けません。今の職場は最寄駅が7km先なので電車通勤が不可能です。そういった事情から一人一台車を所持することが当たり前になっています。趣味ではなく生活必需品ですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。少なくとも僕の場合は、東京から長野県に帰ってくることで生活コストが増大しました。一般的に言われている「都会はお金がかかる」とは反対の結果となっています。住居のレベルを落とす・車を一台にする等で抑えることも可能ですが、それでは非常に不便な生活となってしまいます。
給料も東京に比べて長野県の方が安くなっています。生活コストを目的に地方へ移住するのは現実的ではないなと改めて思った次第です。